過去20年のキャリアで製造技術、熱設計、調達を経験してきた中で、
最近ふと感じたのは「熱設計と調達サプライチェーンに共通点がある」ということ。
その共通点とは、
「なんだかよくわからない複雑な要素を紐解きながら最大限のベストを尽くす」
という点。
熱設計観点では、
多数の発熱源から発生する熱が様々な経路を経て川の様に流れていく中で、
その流路を整備することが求められます。
想定される最大熱量を充足する流路が準備できれば、それぞれの熱源が最大の熱を発生させても問題ありませんが、
現実には様々な制約で不可能なことが多く、
結果としてより詳細に個々の熱源の現実的な動作を把握・推定して熱を流す流路を構築します。
調達観点では、
需要数があり、その需要を満足する数量の部品を準備するのが基本。
しかしこの需要は時間と共にどんどん変動、
一方で部品を準備する方は時間がかかり、
発注から納入まで半導体ともなれば数か月という時間がかかります。
流路という点では熱設計ほど複雑ではなく限られているものの、
需要数の変動という点では上限も下限もなく如何様にも変動して振れ幅が大きい。
あるタイミングで発注してもその部品が納入される頃には実際の需要数は発注した当時と変わっているなんてことも日常茶飯事。
最大の需要に対応できるように部品を調達すれば不足はないものの、
在庫を大量に抱えるリスクがあり常に想定最大数で発注はできない。
いやぁ、なかなか大変な仕事。